SHUGO TOKUMARU / 夜景画 (NIGHT PIECE)
〜そういう色〜(M-1 : such a color)
空に浮かぶ橋の上に澄んだ海が有り
少し日焼けした君の腕が見える
落ち着く色だけど何色だか分からない
そういう色なのか
そういえばいつの間にかここにいる
少し日焼けした夏の街並は
落ち着く色だけど何色だか分からない
そういう色なのか
〜軽い椅子〜(M-2 : light chair)
カラクリのない言葉を探して
窓を開けると風フラフラリ
椅子に揺られてこの街を眺める
雲が落とした影をなぞると見えてくる
陰に隠れきれないモノクロになれない声
やっとめぐってきたのに後回しにされて
考え付かない仕打ちを受けても
窓を開けると椅子が揺れている
雲が落とした影をなぞると見えてくる
陰に隠れきれないモノクロになれない声
影がとけてく からだにとけてく 雲にとけてく
灯籠流し〜(M-3 : lantern on the water)
未来を知ってしまったがゆえの
階段を上っていくのです
人並が幽霊に見えてきて
もうすっかり暗くなりました
暮れた日の中の街の灯りは
とても綺麗でした
どこへ行こう
〜スイッチ〜(M-6 : switch)
こころなしかおとなしいようで
もう二度と戻れないような
石垣にのぼりつめる
脊髄が凍り付く
雨は降り続け
時計針は進む
それでも楽には
落ちることはない
雨のあがる頃
時計針は止まる
〜タイプ〜(M-7 : typewriter)
昔の人は夢に見た所を目指した
昔の人は暗闇では何も今と変わらない
もったいぶってひとりになって
あいづちうってやめることはない
向こうの部屋に灯りが見えた?
向こうの部屋はだれもいないよ
頭がくらくらするよ 迷惑だ
ふらふらするよ 判断が鈍る
その紙の上に文字を打って吐き出す
指先に聞けよ 全部打ってくれる
〜夜のカイト〜(M-10 : a kite of night)
人並がとおりすぎても
物音ひとつたたない
戦争も平和も願わない
ただこの凍える街を変えようか
空の暗くない夜に
月の暗くない夜に
歌う
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